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世界的資源高で再評価へ、金城鉄壁の「産業用メタル」関連株6選 <株探トップ特集>

2026-09-16 19:30:00



―需要拡大も供給はひっ迫、構造要因の恩恵受ける非鉄金属銘柄を総点検―

 今年に入り、金や銀といった貴金属に、銅や亜鉛、錫(スズ)などの産業用金属を加えた 非鉄金属の価格高騰が目立っている。世界的な資源価格の上昇という共通の追い風を受け、関連銘柄では業績が急回復し、上方修正や増配、株式分割といった好材料が相次いでいる。足もとの東京市場は、中東情勢の緊迫化に伴う原油高やインフレ懸念、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測、日本銀行の利上げペース加速観測などが重荷となり、上値が重く方向感の乏しい展開が続いている。だが、そうしたなかで堅牢な値動きが期待できる数少ないセクターが非鉄金属なのだ。

●非鉄金属セクターが東証33業種で異彩高

 東証33業種のなかで、非鉄金属セクターは8月12日に前日比3.12%高、8月17日に5.24%高と2度にわたり上昇率トップに立ったのに続き、直近では9月9日にも日経平均株価が126円55銭安と続落するなかでも6.88%高を記録、上昇率トップとなった。銅価格の国際指標が史上最高値を更新したことを受け、住友金属鉱山 <5713> [東証P]や古河電気工業 <5801> [東証P]、フジクラ <5803> [東証P]、住友電気工業 <5802> [東証P]といった資源・電線株に買いが集中した結果だ。この1カ月の株価も、東証全体では微減なのに対して、非鉄金属セクターは8%を超える上昇率となり、中東リスクや金利動向に相場全体が神経質になるなか、資源高という構造的テーマが数少ない明確な物色の切り口として機能している。

 2026年の金属市場を振り返ると、シカゴマーカンタイル取引所(CME)の金先物は1月に史上初めて1トロイオンス=5000ドルを突破。同様に銀先物も1月に最高値の1トロイオンス=115ドル台まで買われた。金銀ともに、その後は米金利動向をにらんで調整しているが、依然として歴史的な高値圏にある。産業用金属では、銅がロンドン金属取引所(LME)の3カ月先物で年初の1トン=1万2514ドルから9月には1万4781ドル前後まで買われ最高値を更新した。亜鉛は年初の1トン=3130ドル前後から一貫して値を切り上げ、9月には22年以来となる4000ドルの大台を突破。錫も年初の1トン=4万358ドルから2月には5万7760ドルの史上最高値を記録、現在も5万円台で推移している。

●AI投資拡大と供給難が資源高の構造要因

 金属価格上昇の背景には、需要と供給の両面での構造変化がある。需要面では、生成AI(人工知能)の普及に伴う半導体やデータセンター、送配電網への投資拡大が、非鉄製品の需要を押し上げている。世界の半導体市場は24年の約6270億ドルから30年には1兆ドル超へ拡大すると見込まれ、電力供給に不可欠な銅はもちろん、電子基板のはんだ付けに不可欠で「半導体の生命線」と呼ばれる錫などの需要が、半導体市場の成長と歩調を合わせて伸びていく見込みだ。

 供給面では、鉱物資源は発見から生産開始までに10年以上を要するのが通例であり、需要が急増しても供給がすぐには追随できないという構造的な問題がある。銅は主要鉱山の減産や新規鉱床の発見難航が続き、亜鉛もペルーのアンタミナ鉱山やアラスカのレッドドッグ鉱山など主要鉱山の生産が伸び悩む。錫もミャンマーやインドネシアなど主産国の供給不安が慢性化している。需要が右肩上がりの一方で供給を短期的に増やせないという非対称性が、価格の持続的な上昇圧力として働いているわけだ。

 これらに加え、目先の短期要因も価格を押し上げている。米国の関税政策を巡る不透明感から、前倒しでの在庫積み増しが銅相場を支え、プラチナはエネルギー供給不安を背景に水素インフラ整備が世界的に加速、燃料電池向け需要が新たに加わっている。金・銀は地政学リスクの高まりに加え、各国中央銀行の外貨準備分散(脱ドル化)を意識した買いが下支えしている。

 供給制約が短期間で解消する見込みは乏しい。8月下旬以降、マクロ要因で総じて株価は調整しているものの、中長期的には非鉄金属セクター全般の業績拡大が続き、株価も高値圏で推移するとの見方が優勢だ。半面、米関税政策や中国経済、日米の金融政策次第で相場が大きく振れるリスクも残る。更に金属価格は、品目ごとに値動きの差があり、輸入依存であるため国内価格が為替の影響を大きく受けるという特徴もある。シクリカル・セクター共通のボラティリティ(株価変動率)の高さとともに、これらの要素を考慮しつつ、投資のタイミングを計ることが重要となる。

●上方修正、過去最高益更新が続出、非鉄金属の注目銘柄

 以上の前提のもとで、資源高の恩恵を色濃く受け、今年に入り業績が拡大している銘柄をピックアップする。大手では25年10月に「三井金属鉱業」から社名を変更した三井金属 <5706> [東証P]を挙げたい。電子基板やEV駆動用モーターに使う銅箔を主力とし、電化とデータインフラ拡大という需要の本流に位置する。27年3月期第1四半期の連結経常利益は前年同期比2.3倍の234億7400万円に急拡大、銅箔の販売量増加に円安・在庫要因の好転が重なった。通期予想を930億円から1000億円に上方修正した一方、上期予想をわずかに下方修正したことにより株価は5月高値の5万7700円から2万2000円水準まで下落と軟調だが、9月30日の1株を10株にする株式分割による個人マネーの参加も期待でき、潜在需要の高さを考えても底打ち反転の期待が高い。

 半導体製造装置や航空宇宙向けに銅・真鍮・錫・ステンレスなどを小口加工・販売する専門商社の白銅 <7637> [東証P]は、半導体製造装置業界の拡大という需要増と、原材料市況高による商品単価上昇の両方が利益に効く収益構造を持つ。27年3月期第1四半期の連結営業利益は前年同期比3.6倍の13億7800万円、通期予想も43億1000万円から50億6000万円に上方修正。年間配当も143円(前期86円)へ増配された。株価は5月の急騰を経て、3000円から4000円の高値ボックス圏で推移しているが、そろそろもう一段の上放れを狙える局面だ。

 非鉄金属とレアメタルを原料から製品まで一貫して扱う専門商社兼メーカーのアルコニックス <3036> [東証P]は、中国の輸出規制や中東情勢によるレアメタル・アルミの供給不安が強まるほど、流通の要としての存在感が増す立ち位置にある。27年3月期第1四半期の連結営業利益は前年同期比2.8倍の69億3000万円、通期予想を107億円から147億円に40%上方修正し、5期ぶりの最高益更新を見込む。AI・データセンター起点の半導体関連需要も国内外で堅調という。

 貴金属含有スクラップから金・銀・プラチナ・パラジウムを回収する都市鉱山ビジネスのAREホールディングス <5857> [東証P]は、金・プラチナが高値を維持する限り、回収量と価格プレミアムの両輪で収益と株主還元の上振れ余地が広がる構造にある。27年3月期第1四半期の連結最終利益は前年同期比2.4倍の86億1200万円で、上期計画に対する進捗率は61.5%と5年平均の47.2%を上回った。年間配当は1年前の80円から135円へ約1.7倍に急増している。

●資源高を事業再生に結び付ける割安銘柄も

 銅・銅合金スクラップを回収して銅合金インゴットを製造する専業で、船舶用スクリュー材料で高シェアを持つMERF <3168> [東証S](旧黒谷)は、時価総額200億円規模の小型株で銅相場への業績感度が高く、値動きの機動性も期待できる。26年8月期第3四半期累計の連結営業損益は34億100万円の黒字(前年同期は3億7500万円の赤字)に浮上し、通期予想は期初の7億4400万円から2度の上方修正を経て45億6100万円に達し、21年8月期の過去最高益を大幅に更新する見込み。PER(株価収益率)は6倍台と、株価は好業績を織り込めていない。

 鉛・銀の製錬で国内トップクラスのシェアを持つ東邦亜鉛 <5707> [東証P]は、24年3月期・25年3月期と連続最終赤字に陥り事業再生に取り組んできたが、操業安定化と銀高が重なり26年3月期に純利益が2期ぶりに黒字転換した。27年3月期第1四半期の連結営業損益は2億5000万円の赤字にとどまり、前年同期の8億5300万円の赤字から赤字幅が縮小した。PER(株価収益率)は5倍台と明らかに割安水準。再生から回復への転換点にある銘柄であり、亜鉛・鉛相場の底堅さと銀高をどこまで取り込めるかが株価回復のカギを握る。

 このほか三菱マテリアル <5711> [東証P]、DOWAホールディングス <5714> [東証P]、古河機械金属 <5715> [東証P]といった大手企業に加え、電子部品からの貴金属回収と精錬技術に定評のあるアサカ理研 <5724> [東証S]にも注目したい。

株探ニュース



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