【杉村富生の短期相場観測】 ─この局面での投資作戦・戦術を探る!
2026-11-01 09:15:01
「この局面での投資作戦・戦術を探る!」
●超楽観と総悲観のシーソーゲーム!
かねて、筆者は証券投資に関し肝要なのは「現状を正しく認識し、リスクマネジメントを徹底すること」と主張している。現在、AI(人工知能)を軸とする第4次産業革命の真っただ中にある。主役がAI、 半導体、データセンターセクターであるのを否定しない。ただ、このセクターは急騰の反動に加え、仮需の重さが上値を抑制している。
したがって、当面は「突っ込み買い」の「吹き値売り」戦術が有効だろう。トーメンデバイス <2737> [東証P]は10月28日の場中に、2027年3月期第2四半期の決算を発表した。文句のつけようがない数字だったにもかかわらず、通期見通しを据え置いたために、株価は何とストップ安になった。多くの投資家が「なぜッ?」と思っただろう。
ちなみに、2027年3月期は120.9%増収、199.5%最終増益と予想、1株利益は4411.2円となる。配当は1640円(前期は540円)とする。しかし、これらの好業績は株価に織り込まれていた。なにしろ、今年2月4日の安値1万0570円が9月28日には4万4200円の上場来高値まで買われ、約4倍になっている。
ストップ安は急騰の反動である。それと、需給の怖さだ。再三指摘しているように、「需給はすべての材料に優先する」という。サプライズがなければ「好決算」即「暴騰」にはならない。売りのタイミングを待ち構えている先駆者が存在する。この世界は常に、「遅れた者は悪魔(相場巧者)のエジキ」となる。だからこそ、リスクマネジメントが重要である。
次に、AI投資の受益領域の広がりがポイントになろう。画像処理半導体(GPU)、高帯域幅メモリー(HBM)の必要性は否定しないが、通信・電力、冷却システム、運用サービス、サイバーセキュリティ、フィジカルAI(人工知能とロボティクスの融合)などの分野が浮上している。すなわち、主役がインフラ→ユーザー側にシフトしているとの見方ができる。
●逆行高の銘柄or下値岩盤の銘柄?
要するに、AIを使うための投資である。光電融合技術が不可欠となる。次世代の情報通信基盤「IOWN(アイオン)」構想を推進しているNTT <9432> [東証P]をはじめ、部材のデクセリアルズ <4980> [東証P]、オキサイド <6521> [東証G]、JX金属 <5016> [東証P]、湖北工業 <6524> [東証P]、QDレーザ <6613> [東証G]などが浮上する。
このほか、第4次産業革命ではレアアースが戦略物資となろう。日本は南鳥島沖での深海採掘プロジェクトを推進している。ただ、コストが高いうえに、全ての希少金属は調達できない。その点、都市鉱山は魅力だ。リネットジャパングループ <3556> [東証G]は リユース・リサイクル事業を展開、2028年9月期の1株利益は100円を超える、と思う。
10月にはJX金属サーキュラーソリューション、SGホールディングス <9143> [東証P]、アメリカのPCS(ワイヤレス端末リユース大手)と資本業務提携、LINEヤフー <4689> [東証P]と提携するなど、積極経営を展開している。パソコン、小型家電、スマートフォン、リチウムイオン電池の回収・需要(ユーザー)開拓体制を整えつつある。
一方、全般相場は相変わらず、波乱含みだ。基本的には超楽観と総悲観のシーソーゲームになっている。すなわち、超楽観→売り、総悲観→買いのパターンである。現状は総悲観に近い。セリング・クライマックスの途上といえる。機関投資家は「11月3日のアメリカ中間選挙の結果待ち」という。まあ、「イベントリスクは避けよ」がセオリーだが……。
この局面は素直に、逆行高(暴落日の“赤札”)銘柄を狙う作戦が有効だろう。決算プレイだが、メタウォーター <9551> [東証P]、コナミグループ <9766> [東証P]、西部ガスホールディングス <9536> [東証P]、タカラトミー <7867> [東証P]、日本郵船 <9101> [東証P]などに妙味があろう。
さらに、思惑材料山積の三井不動産 <8801> [東証P]、日本発グローバルカンパニーを自称する東京海上ホールディングス <8766> [東証P]は2027年にかけて、ジリ高が期待できる。下値不安は乏しい。それが波乱相場では何よりの魅力である。
2026年10月30日 記
株探ニュース