
(2018/1/1〜2018/10/18)

今年8月に、2016年のトルコ・クーデター未遂事件に関わったとされる米国人牧師の拘束問題を巡り、対米関係が悪化したことをきっかけにトルコ・リラは急落しました。根本的な要因としては、6月の大統領選および総選挙のダブル選挙で勝利して強権を握ったエルドアン大統領が、通貨・経済の安定化のために必要な経常収支改善を目指した財政引き締めや構造改革に積極的でないうえ、利下げを求めるなどして中央銀行の独立性が損なわれるとの懸念が強まったことなどがありました。しかしながら、今年9月にトルコ中央銀行がインフレ抑制のための継続的な利上げ姿勢を示し、政策金利を17.75%から24%に大幅に引き上げたことや、10月に入り米国人牧師が解放されたことなどで米国による経済制裁の解除も期待されることなどから、市場は落ち着きを取り戻しつつあります。
米国人牧師の解放によって対米関係の改善が期待されるなど政治的な懸念は薄れつつある一方で、今後トルコ・リラが本格的に回復に向かうためには、トルコ中央銀行が行った大幅な利上げや政府のインフレ抑制策などによって、インフレ率の低下や経常収支の改善などの経済効果が実際に表れてくることが必要になると思われます。また、トルコ政府が財政拡張の是正策を打ち出すことも必要と考えられます。
一方で、トルコの実体経済は安定しています。昨年の7%超の高成長からの反動や足元の通貨安の重荷はあるものの、2018年も3%程度のプラス成長は確保する見通しです。自動車や観光など国際的な競争力を持つ産業もあり、人口増加も続き成長余力は大きいと考えています。また、公的債務残高の国内総生産(GDP)比は約28%、財政赤字も同2%以下にとどまります。
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