更新日 2026/3/24
円建て債券(円債)とは、日本円で発行される債券で、為替リスクを避けながら利回りを確保できる資産です。
最近では、日本の10年国債利回りが約27年ぶりの高水準に上昇したことを背景に、円債への注目が高まっています。
「円で安定的に運用したい」「株式の値動きに振り回されたくない」といった声もあり、円建て債券は投資家のあいだで改めて選択肢として見直されています。本ページでは、円債の基本・メリット・リスク・選び方を、最新の市場動向とあわせてわかりやすく整理します。
2025年後半から、日本の債券市場に大きな動きが出ています。
長く続いた低金利の時代が終わり、国債の利回りが全体的に上がりはじめました。とくに、日本の長期金利の代表である10年国債利回りは約27年ぶりの高い水準まで上昇しています[図1・2]。
さらに今後も日銀が利上げを進める可能性があると言われており、「ゼロ金利」が当たり前だった時代からの転換点を迎えています。こうした金利の変化により、これから円建ての債券を購入する人にとっては、以前よりも高い利回りを得やすい環境が整いつつあります。
そのため、円債は投資初心者から経験者まで幅広く注目されるようになっています。
| [図1]日本10年国債利回り・月次ベース (1996年1月〜2026年2月) |
[図2]日本10年国債利回り (2025/10/1〜2026/2/27) |
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出所:財務省「国債金利情報」のデータよりJTG証券作成
また、日米の金利差が小さくなってきたことも、円建て債券(円債)への投資が増えている大きな理由です。足元では、名目金利・実質金利のどちらでも日米の差が縮まり、円債の魅力が相対的に高まっています。
そのため、為替リスクを避けたい国内投資家だけでなく、海外の投資家からも円債に資金が流れ始めています。
また、日本でインフレ傾向が続く中、「どれだけ利回りを確保できるか」が、以前にも増して重視されるようになっています。特に、償還までの期間が長い国債は、金利水準がわずかに変化するだけでも価格変動が大きくなりやすく、投資機会が生まれやすいことから、市場でも注目されています。さらに、社債市場では利回りが比較的安定して推移していることから、利回り水準を確保しやすい中期社債や劣後債への投資需要も強まりつつあります。
つまり
といった要因から、円債は、安定性と利回りを両立しやすい資産として2026年に再び注目を集めているのです。
ひとことで「円債(円建て債券)」といっても、その種類は非常に幅広く、発行体や仕組みによって特徴が大きく異なります。ここでは、投資初心者の方にもわかりやすいように、代表的な円債の種類とその特徴を専門的な視点から整理してご紹介いたします。円債の基礎を理解したい方や、債券投資の比較をしたい方に役立つ内容になっています。
発行体によって、大きく3つに分けられます。
| 分類 | 主な発行体 | 安全性 | 利回り | 向いている投資スタイル |
|---|---|---|---|---|
| 公共債 | 日本政府・地方自治体・政府系機関 | ◎とても高い | △やや低い | 安定重視・元本重視 |
| 民間債(社債) | 事業会社・金融機関 | △企業次第 | ○中程度~高め | 利回り重視・企業分析が可能な人 |
| サムライ債 | 外国政府・海外企業 | △発行体次第 | ○中程度 | 為替リスクなしで海外 発行体に投資したい人 |
1. 公共債公共債とは、国や地方公共団体、政府関係機関などの公的主体が資金調達のために発行する債券の総称です。 発行体が国や自治体といった信用度の高い組織であるため、公共債は一般的に安全性が高く、債券投資の基礎となる商品として位置づけられています。 公共債には、国が発行する「国債」、地方公共団体が発行する「地方債」、さらに政府系金融機関などが発行する「政府関係機関債(政府保証債)」などが含まれます。 |
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2. 民間債
民間債とは、企業や金融機関などの民間企業が資金調達のために発行する債券(社債)のことです。 |
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3. 外国発行体による円建て債円建て債券には、日本の発行体だけではなく、海外の政府や企業が日本国内で“円建て”で発行する債券も含まれます。代表例が サムライ債です。 円建て債券のどの銘柄を選ぶべきかは、@安全性(信用度)、A利回り、B満期までの期間、の3つで判断するのが基本です。それぞれのバランスによって“おすすめの債券タイプ”は変わるため、ご自身の運用目的に合うものを見極めることが重要です。 |
円建ての国内債券は、為替変動の影響を一切受けない点が大きなメリットです。購入から利息の受け取り、そして償還までのすべてが日本円で完結するため、外貨建て債券のように「円高で損をする」「為替ヘッジが必要」という心配がありません。この結果、収支計画を立てやすく、普段使う日本円で資産を完結させられるため、“安定性を重視した投資商品”として選ばれています。
日本国内で長く事業を行う企業やインフラ分野の企業によって発行されるものが多く、こうした発行体は事業の継続性や財務状況に関する情報が比較的入手しやすい点が特長です。電力・通信など、社会インフラを支える企業の債券は事業内容が明確で、投資判断に必要な情報も公表されているため、投資家が比較・検討しやすいという利点があります。
債券価格は市場金利の変動によって上下しますが、株式と比べると値動きが小さく、価格変動リスクを抑えやすい金融商品とされています。一般に、金利が上昇すれば債券価格は下がり、金利が低下すれば価格は上がるという関係がありますが、株式のように企業業績や投資家心理で急激に乱高下するケースは比較的少ないのが特徴です。 このため、資産の安定性を重視したい投資家や、株式の大きな値動きに不安を感じる人にとって、債券はリスクを抑えた運用手段として選ばれやすいと言えます。
ここまで見てきたように、円建て債券(円債)は、「満期まで持てば元本が戻る」という安心感から、個人投資家に選ばれやすい商品です。ただし、そうしたイメージとは別に、円債にも注意しておきたいリスクがあります。
まず、金利が変動するリスクです。 債券は市場金利が上がると価格が下がります。満期まで保有すれば元本は返ってきますが、市場金利が上がると、新しく発行される債券はより高い利息で売り出されます。その結果、すでに保有している債券は利回り面で見劣りし、価格が下がるなど投資対象としての魅力が薄れることがあります。
次に、インフレの影響です。物価が上昇している局面では、名目上の利息を受け取っていても、実質的なお金の価値は目減りしてしまいます。とくに固定金利の円債は、将来にわたって受け取る利金が変わらないため、償還までの期間が長くなるほど、インフレによる影響を受けやすくなります。
さらに、発行体の信用リスクがあります。 債券を発行している国や企業の経営状態が悪化すると、利息の支払いが遅れたり、最悪の場合は元本が返ってこなかったりする可能性があります。特に企業が発行する社債では、発行体の財務状況や格付けが低いほど、このリスクは大きくなります。「満期まで持てば元本が戻る」という前提は、あくまで発行体が問題なく返済できることが条件である点には注意が必要です。
JTG証券が運営する金融市場に関する調査・分析情報サイト『GAISAIラボ』では、債券の基礎知識や市場動向をコンパクトに整理してお届けしています。円債に関する解説は、下記のリンクよりご覧いただけます。
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掲載の条件は 2026/03/25 現在のものです。利率・利回りは、すべて税引前/現地通貨ベースです。
| 銘柄名 | 利回り | 残存年数 | 申込単位 |
|---|---|---|---|
ソフトバンクグループ 3.03% 2031年6月13日満期 第63回円建無担保社債 | 年3.187% | 約5年3ヶ月 | 額面 1,000,000円以上 1,000,000円単位 |
ソフトバンクグループ 3.98% 2032年12月8日満期 第67回円建無担保社債 | 年3.453% | 約6年9ヶ月 | 額面 1,000,000円以上 1,000,000円単位 |
東京電力パワーグリッド 2.2% 2038年10月13日満期 第70回円建社債 | 年3.290% | 約12年7ヶ月 | 額面 1,000,000円以上 1,000,000円単位 |
九州電力 2.231% 2035年10月25日満期 第536回円建無担保社債 | 年2.412% | 約9年7ヶ月 | 額面 1,000,000円以上 1,000,000円単位 |
※ 利率、利回りは税引前/円建ベースです。利回りは単利で表示しています。
※ 利回りは、債券を購入して償還期日まで保有した場合に得られる、利子も含めた年間収益の投資金額に対する割合を示すもので、「複利」と「単利」があります。「複利」は、利子を元本に組み入れ、その合計額を次の期間の利子計算で元本とする計算方法で、利子を再投資した場合に得られる収益が考慮されています。「単利」は、当初の元本に対してのみ利子が計算される計算方法で、利子の再投資の収益は考慮されていません。
また、JTG証券では個人向け国債も取り扱っています。
安全性を重視した運用を検討する際の選択肢としてご利用いただけます。
すべてを網羅していませんが、代表的な要因として以下があります。
市場金利
金利が上がると既発債券の価格は下落し、金利が下がると価格は上昇します。
発行体の信用度合い
債券発行者の信用力が低下すると、返済への不安が高まり、債券価格も下がります。
流動性(売買しやすさ)
取引量が少ない債券は、売りたいときにすぐ売れず、価格が不安定になりやすい傾向があります。
お取引にあたってのご留意事項
円貨建て債券のリスクについて
金融商品市場における相場その他の指標にかかる変動などにより損失が生ずるおそれがあります。
債券の発行者または元利金の支払の保証者の業務または財産の状況の変化などによって損失が生ずるおそれがあります。
お取引をされる際は、必ず契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、ご自身の判断でお申し込みください。