主なポイント
- 債券の課税対象となる所得の分類は2種類(利子所得、譲渡所得)
- いずれも税率は20.315%(※1)
- 株式や投資信託等(上場株式等)の配当および譲渡損益等と損益通算が可能
- 特定口座(源泉あり)を選択すれば、確定申告は原則不要
※1 所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%(復興特別所得税とは、2013年1月1日から2037年12月31日までの25年間、所得税額に対して2.1%が追加的に課税されるものです。)
1. 債券にかかる税金とその税率
債券に関する下記所得の税率はいずれも20.315%(※1)です。
- ※1 所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%
(復興特別所得税とは、2013年1月1日から2037年12月31日までの25年間、所得税額に対して2.1%が追加的に課税されるものです。)
- ※2 運用期間の途中で売却した場合のみ。
- ※3 2016年以降に一般口座で保有するゼロクーポン債(割引債)が償還した場合、源泉徴収が行われる制度が新設されております。詳細はこちら
外貨建て債券の損益計算
外貨建て債券にかかる所得は、受け取った日本円で計算された差損益に課税されます。現地通貨で受け取った場合でも、税務上一定のルールに基づいて円換算され、日本円で差損益を計算します。
2. 株式や投資信託との損益通算が可能に
2016年以降、「上場株式等」と「公社債等(公募公社債投資信託を含む)」の損益通算が可能になりました。
【損益通算例】
その年に外国債券で80万円の利益が発生し、株式で30万円の損失が発生した場合、利益と損失を合算した
50万円分の利益が課税対象となります。
譲渡損失の繰越控除
譲渡損失の繰越控除のポイント
- 繰越控除の適用には、確定申告が必要
- 毎年申告しないと、3年間の繰越控除は適用されません。
債券の譲渡により生じた損失の金額のうち、当年に損益通算をしても、控除しきれない金額については、その翌年以降3年間にわたり、債券の利子所得等、譲渡所得等、上場株式等の配当所得(申告分離課税を選択したものに限ります。)および譲渡所得等からの控除が可能です。譲渡損失の繰越控除は、確定申告を行うことによって適用されます。なお、繰越期間中は毎年確定申告する必要があり、確定申告を行わないと繰越控除は適用されなくなります。
3. 特定口座/源泉徴収
2016年以降、公社債及び公募公社債投資信託を特定口座で取扱うことができるようになりました。本来、償還差益や譲渡益は、原則、確定申告が必要となりますが、「源泉徴収ありの特定口座」をご利用いただくと、確定申告は不要です。
4. ゼロクーポン債(割引債)が償還された際の税務
ゼロクーポン債は、特定口座の保有状況によって、償還時の利益にかかる源泉徴収の有無が異なります。なお、2016年以降に一般口座で保有するゼロクーポン債が償還した場合、源泉徴収が行われる制度が新設されました。
一般口座で償還時に源泉徴収の対象となる債券
- 割引の方法により発行された利息のない公社債(ストリップス債・ゼロクーポン債等)
- 利息のある公社債のうち額面金額の90%以下で発行されたもの など
特定口座(源泉徴収あり)
特定口座内で損益を計算し、償還益に対し源泉徴収されます。なお、証券会社より「年間取引報告書」が発行されます。
計算方法 |
償還金額-取得金額(証券会社で自動計算) ※外貨建て債券の場合、円換算して算出 |
償還時源泉徴収の有無 |
特定口座内で計算された差益に対して源泉徴収 |
確定申告 |
不要(申告も可) |
特定口座(源泉徴収なし)
特定口座内で損益を計算し、償還益に対し源泉徴収されます。なお、証券会社より「年間取引報告書」が発行されます。
計算方法 |
償還金額-取得金額(証券会社で自動計算) ※外貨建て債券の場合、円換算して算出 |
償還時源泉徴収の有無 |
源泉徴収されない |
確定申告 |
原則、必要 |
一般口座
2016年以降に一般口座で保有するゼロクーポン債が償還した場合、源泉徴収が行われる制度が新設されました。外貨建ての債券の場合、償還時に為替による円換算の結果、実際には損失が発生している場合等においても、一定のルールに基づき源泉徴収されます。原則として確定申告が必要となり、申告時に実際の償還差損益を申告して償還時に徴収された源泉徴収税額を精算します。
計算方法 |
償還金額-取得金額(ご自身で計算)※外貨建て債券の場合、円換算して算出 |
償還時源泉徴収の有無 |
償還金額×みなし割引率(※3)×20.315% |
確定申告 |
原則、必要 |
※3 みなし割引率は、発行日から償還日までの期間により異なります。発行日から償還日までの期間が1年を超える場合は、25%。1年以内の場合は0.2%を乗じます。
◆2024年9月現在における制度・情報をもとに、個人(居住者)の所得についての税制を説明したものです。租税条約の規定や税制変更により、将来、外国税控除が適用できなくなる可能性があります。
税制の内容や税務上の具体的な取扱い、および、確定申告による有利判定等については税務署又は税理士等の専門家にご確認ください。
監修:税理士 宮嵜 侑一郎
2024年11月1日現在
キャンペーン・お得な情報
お取引にあたってのご留意事項
- 外貨建て債券のお取引では「外国証券取引口座」の開設が必要となりますが、口座開設費用・管理料は無料です。
- 外貨建て債券を募集・売出等により、または当社との相対取引により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。
- 既発債のうち、利付債のお取引にあたっては、経過利息の受け払いが発生する場合があります。
- 外貨建て債券の売買等にあたり円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向を踏まえて当社が決定した為替レートによるものとします。
- 円貨決済型債券の売買、および利金・償還金の決済は、全て円貨でのお取扱いとなります。
- 外貨建て債券を募集・売出等により購入された場合、及び当社との相対取引により購入または売却された場合、原則として約定が成立した後の取消しはお受けできません。
- 外貨建て債券のお取引はクーリングオフの対象にはなりません。
- 当社において販売いたしました外国債券の価格情報等につきましては、当社にお問合せください。
外貨建て債券のリスクについて
金融商品市場における相場その他の指標にかかる変動などにより損失が生ずるおそれがあります。
- 外貨建て債券の市場価格は、基本的に市場の金利水準の変化に対応して変動します。金利が上昇する過程では債券価格は下落し、逆に金利が低下する過程では債券価格は上昇することになります。したがって、償還日より前に換金する場合には市場価格での売却となりますので、売却損が生ずる場合があります。また、市場環境の変化により流動性(換金性)が著しく低くなった場合、売却することができない可能性があります。
- 金利水準は、各国の中央銀行が決定する政策金利、市場金利の水準(例えば、既に発行されている債券の流通利回り)や金融機関の貸出金利等の変化に対応して変動します。
- 外貨建て債券は、為替相場(円貨と外貨の交換比率)が変化することにより、為替相場が円高になる過程では外貨建て債券を円貨換算した価値は下落し、逆に円安になる過程では外貨建て債券を円貨換算した価値は上昇することになります。したがって、売却時あるいは償還時の為替相場の状況によっては為替差損が生ずるおそれがあります。
- 通貨の交換に制限が付されている場合は、元利金を円貨へ交換することや送金ができない場合があります。
債券の発行者または元利金の支払の保証者の業務または財産の状況の変化などによって損失が生ずるおそれがあります。
- 外貨建て債券の発行者や、外貨建て債券の元利金の支払いを保証している者の信用状況に変化が生じた場合、市場価格が変動することによって売却損が生ずる場合があります。
- 外貨建て債券の発行者や、外貨建て債券の元利金の支払いを保証している者の信用状況の悪化等により、元本や利子の支払いの停滞若しくは支払不能の発生又は特約による元本の削減等がなされるリスクがあります。
なお、金融機関が発行する債券は、信用状況が悪化して破綻のおそれがある場合などには、発行者の本拠所在地国の破綻処理制度が適用され、所管の監督官庁の権限で、債権順位に従って元本や利子の削減や株式への転換等が行われる可能性があります。ただし、適用される制度は発行者の本拠所在地国により異なり、また今後変更される可能性があります。
- 外貨建て債券のうち、主要な格付機関により「投機的要素が強い」とされる格付がなされているものについては、当該発行者等の信用状況の悪化等により、元本や利子の支払いが滞ったり、支払不能が生ずるリスクの程度はより高いと言えます。
- 主要な格付会社により「投機的要素が強い」とされる格付(投資不適格格付)がなされている債券(投資不適格格付債券)については、当該発行体または本債券の償還金及び利子の支払いを保証している者の信用状況の悪化等により、償還金や利子の支払いが滞る、
支払不能が生じるリスクの程度が、投資適格格付等のより上位の格付けを付与された債券と比べより高いと言えます。
債券の発行者等または当該通貨等の帰属する国や地域の政治および経済状況の変化、法令・規制の変更などによって損失が生じるおそれがあります。
- 外貨建て債券の発行者、保証会社もしくは当該通貨等の帰属する国や地域、または取引市場の帰属する国や地域の政治・経済・社会情勢の変化および法令・規制等の変更やそれらに関する外部評価の変化、天変地異等により、外貨建て債券の価格が変動することによって損失が生じるおそれや、売買や受渡が制限される、あるいは不能になるおそれがあります。また、通貨不安等により大幅な為替変動が起こり、円貨への交換が制限される、あるいはできなくなるおそれがあります。
お取引をされる際は、必ず契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、ご自身の判断でお申し込みください。
無登録格付について
ホームページ上で使用されている格付けについて、信用格付付与者である「ムーディーズ・レーティングス(Moody's)」、「S&Pグローバル・レーティング(S&P)」
、および「フィッチ・レーティングス(Fitch)」
は金融商品取引法第66条の27の登録を受けておりません。無登録格付けに関する留意点につきましては、無登録格付に関する説明書をご覧下さい。