【発行体概要】南アフリカ経済の現状と米ドル建て国債投資の効用(2025年7月16日)
動画の説明(再生時間:10:34)
本動画では、南アフリカ共和国(以下、南アフリカ)の概要および経済状況を概観しつつ、米ドル建て南アフリカ国債の信用力評価について弊社の考え方を示す。
- 現在はラマポーザ大統領による3期目の政権運営にある(与党:アフリカ民族会議)。
- 外交政策は「中立的立場を維持しつつ、多極的な国際秩序の構築に積極的に関与する外交方針(積極的非同盟政策)」が基本。
- 産業別GDP構成比は一次産業が8%、二次産業が17%、三次産業が75%。
- 2024年は+105億米ドルの貿易黒字。最大の貿易相手国は中国であり、輸出の10.8%、輸入の21.6%を占める。
- 2025年4月のインフレ率は2.8%と準備銀行が示す目標範囲をやや下回る水準にある。
- 2025年1月時点の失業率は32.7%、労働参加率は59.9%。他国と比較して、失業率が極めて高い水準にある。
- 2024年末時点の政府債務は3,195億米ドル、対(年次)GDP比で76.4%。国有企業への財政支援が財政再建を一層困難にしている。一方、金価格の上昇を受けて、対外債務の圧縮および外貨準備高の積み増しが進みやすい環境が続く。
- 為替は過去5年間でみた場合には、全体として通貨安の傾向にある。
- ランド通貨の取引シェアは0.5%にとどまっている。
- 地政学リスクは抑制的であり、米ドル建て債券であれば信用リスクを反映したスプレッド以外に、同国の独自要因は反映されにくい。250bps以上のスプレッドが乗っていれば、投資の検討対象に値すると考える。
[南アフリカの概要]
- 2024年における名目GDPは4,100億米ドルで、アフリカ地域内で最上位の経済規模。- 現在はラマポーザ大統領による3期目の政権運営にある(与党:アフリカ民族会議)。
- 外交政策は「中立的立場を維持しつつ、多極的な国際秩序の構築に積極的に関与する外交方針(積極的非同盟政策)」が基本。
- 産業別GDP構成比は一次産業が8%、二次産業が17%、三次産業が75%。
- 2024年は+105億米ドルの貿易黒字。最大の貿易相手国は中国であり、輸出の10.8%、輸入の21.6%を占める。
[南アフリカの経済状況]
- 2024年の実質 GDP 成長率は+0.6%。IMFは2025年に1.0%、2026年に1.3%の経済成長を予想。- 2025年4月のインフレ率は2.8%と準備銀行が示す目標範囲をやや下回る水準にある。
- 2025年1月時点の失業率は32.7%、労働参加率は59.9%。他国と比較して、失業率が極めて高い水準にある。
- 2024年末時点の政府債務は3,195億米ドル、対(年次)GDP比で76.4%。国有企業への財政支援が財政再建を一層困難にしている。一方、金価格の上昇を受けて、対外債務の圧縮および外貨準備高の積み増しが進みやすい環境が続く。
[南アフリカ・ランド (ローカル通貨)の状況]
- 経常収支(FY2024)▲1,920億ZARの赤字。- 為替は過去5年間でみた場合には、全体として通貨安の傾向にある。
- ランド通貨の取引シェアは0.5%にとどまっている。
[南アフリカのソブリン・クレジット評価]
- 南アフリカの発行体格付けはムーディーズからBa2格、S&PとフィッチからBB-格と、いずれも投機級。- 地政学リスクは抑制的であり、米ドル建て債券であれば信用リスクを反映したスプレッド以外に、同国の独自要因は反映されにくい。250bps以上のスプレッドが乗っていれば、投資の検討対象に値すると考える。
公開日:
#新興国#クレジット投資評価#ソブリン#債券投資
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