【エマージング経済・市場】トルコ経済の現状とトルコ国債の投資評価(2025年8月19日)
動画の説明(再生時間:9:14)
本動画では、トルコ共和国(以下、トルコ)の概要および経済状況を概観しつつ、米ドル建てトルコ国債の信用力評価について弊社の考え方を示す。
- 現在はエルドアン現大統領による3期目の政権運営にある(与党:公正発展党・右翼)。政治的基盤は強固だが、抑圧的な政権運営に市場からの不安感は強まる傾向。
- FY 2024における産業別GDP構成比は一次産業が6%、二次産業が26%、三次産業が57%、調整(税、補助金)12%を占める。
- FY2024 通年のトルコの実質 GDP 成長率は+3.1%。トルコ・シリア地震の復興に伴う建設業の成長や、製造業における設備投資の集中が経済成長を後押し。
- 2021年9月、政府はインフレ対策として異例の金融緩和政策を打ち出し、さらなる利下げを実施した。しかし、その後の大統領選の結果を受け、2023年7月頃からは金融政策を一転し、引き締め路線へと転換した。2024年4月から12月にかけては政策金利を50%に据え置くことで、インフレ抑制に一定の成果を上げている。
- FY2024末時点の政府債務は9兆2600億トルコリラ、対GDP比では21.3%。額面は過去6年間で増加を続けているものの、対GDP比ではFY2021末以降、継続的に低下している。ただし、短期対外債務の償還リスクの解消には、引き続き課題が残る。
- 過去5年間を通して、トルコリラ安の傾向が継続。実態成長を伴わない海外との名目金利差を、通貨安が埋めている状況。
- 経常収支(FY2024)は▲100億米ドルの赤字。石油、天然ガスの産出量が乏しく、必要な資源の多くを輸入に依存しているという構造的な問題により、赤字は継続しやすい。
- トルコの発行体格付けはムーディーズからB1格、S&PとフィッチからBB-格。
- トルコリラ建て債投資では、信用リスクよりも通貨などを含めた価格ベースのトータルリターンが重要。名目金利が高くても実質との乖離があれば通貨安により調整される結果に。
- 円貨から見た2つのトルコ国債のリターン(2025/2〜2025/7)は、米ドル建て債が+2.3%、トルコリラ建て債が-6.0%。
- 円貨からみたトルコ国債投資では、米ドル建ての方がトルコリラ建て投資より効率的。
[トルコの概要]
- トルコのFY2024における名目GDPは1兆2850億米ドルで、世界12位に位置。- 現在はエルドアン現大統領による3期目の政権運営にある(与党:公正発展党・右翼)。政治的基盤は強固だが、抑圧的な政権運営に市場からの不安感は強まる傾向。
- FY 2024における産業別GDP構成比は一次産業が6%、二次産業が26%、三次産業が57%、調整(税、補助金)12%を占める。
[トルコの経済状況]
- FY2024 通年のトルコの実質 GDP 成長率は+3.1%。トルコ・シリア地震の復興に伴う建設業の成長や、製造業における設備投資の集中が経済成長を後押し。
- 2021年9月、政府はインフレ対策として異例の金融緩和政策を打ち出し、さらなる利下げを実施した。しかし、その後の大統領選の結果を受け、2023年7月頃からは金融政策を一転し、引き締め路線へと転換した。2024年4月から12月にかけては政策金利を50%に据え置くことで、インフレ抑制に一定の成果を上げている。
- FY2024末時点の政府債務は9兆2600億トルコリラ、対GDP比では21.3%。額面は過去6年間で増加を続けているものの、対GDP比ではFY2021末以降、継続的に低下している。ただし、短期対外債務の償還リスクの解消には、引き続き課題が残る。
[トルコリラ (ローカル通貨)の状況]
- 過去5年間を通して、トルコリラ安の傾向が継続。実態成長を伴わない海外との名目金利差を、通貨安が埋めている状況。
- 経常収支(FY2024)は▲100億米ドルの赤字。石油、天然ガスの産出量が乏しく、必要な資源の多くを輸入に依存しているという構造的な問題により、赤字は継続しやすい。
[トルコ国債の投資評価]
- トルコの発行体格付けはムーディーズからB1格、S&PとフィッチからBB-格。
- トルコリラ建て債投資では、信用リスクよりも通貨などを含めた価格ベースのトータルリターンが重要。名目金利が高くても実質との乖離があれば通貨安により調整される結果に。
- 円貨から見た2つのトルコ国債のリターン(2025/2〜2025/7)は、米ドル建て債が+2.3%、トルコリラ建て債が-6.0%。
- 円貨からみたトルコ国債投資では、米ドル建ての方がトルコリラ建て投資より効率的。
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#新興国#クレジット投資評価#ソブリン#債券投資
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