欧州株の税金
ドイツ株式、フランス株式に関する課税関係について説明いたします。
主なポイント
- 欧州株の課税対象となる所得の分類は2種類(譲渡所得、配当所得)。
- 欧州株の譲渡益には、現地(ドイツ、フランス)での課税はなく、日本国内で申告分離課税(税率20.315%)が適用される。
- 配当金は、現地で源泉徴収され、現地源泉徴収後の金額に対して日本でも源泉徴収(20.315%)される。
- 租税条約により現地課税が軽減される場合がありますが、申請が必要。
- 国外と国内の二重課税部分を調整するため、確定申告で外国税額控除を受けられる可能性がある
欧州株の売却にかかる税金
欧州株を売却して利益が出た場合、その利益(キャピタルゲイン)には日本国内でのみ課税されます。ドイツやフランスなどの現地では課税されません。
ドイツ株 | フランス株 | |
---|---|---|
現地譲渡益課税 | なし | |
国内譲渡益課税 | 申告分離課税 税率20.315% (所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%) |
|
損益通算 | 可能(※注1) | |
繰越控除 | 3年間の繰越可 |
(※注1):上場株と未上場株の損益通算はできません。
欧州株の売却に関する所得計算
欧州株の売却に関する所得計算は、売却収入と取得価額をそれぞれ円貨に換算した上で譲渡益を計算し、課税されます。
欧州株から受け取る配当金にかかる税金
欧州株の配当金は、現地で源泉徴収され、現地源泉徴収後の金額に対して日本でも源泉徴収(20.315%)されます。
ドイツ株の配当金にかかる源泉徴収のイメージ
ドイツ(現地)で支払われた配当金を100とした場合の受け取りイメージです。
画像をタップいただくと拡大します。
※外国税額控除により実際に還付を受けられるかどうか、あるいは還付税額等は、お客さまのお取引の状況およびその他所得等の状況などにより異なりますので、必要に応じて税務署または税理士等にご相談ください。
フランス株の配当金にかかる源泉徴収のイメージ
フランス(現地)で支払われた配当金を100とした場合の受け取りイメージです。
画像をタップいただくと拡大します。
※外国税額控除により実際に還付を受けられるかどうか、あるいは還付税額等は、お客さまのお取引の状況およびその他所得等の状況などにより異なりますので、必要に応じて税務署または税理士等にご相談ください。
外国税額控除の適用
欧州株の配当金に対して、国外で源泉徴収された外国所得税がある場合、国外と国内の二重課税部分を調整するため、外国で課税された税額を日本の所得税や住民税から控除する制度が外国税額控除です。
画像をタップいただくと拡大します。
※外国税額控除により実際に還付を受けられるかどうか、あるいは還付税額等は、お客さまのお取引の状況およびその他所得等の状況などにより異なりますので、必要に応じて税務署または税理士等にご相談ください。
租税条約に基づく制限税率
日本と各国の間で租税条約が締結されている場合、最終的には当該条約の制限税率により課税されます。一方で、現地国内法の源泉税率が租税条約の制限税率を上回っている欧州国では、いったんは現地源泉税率で課税される場合があります。制限税率を超えた外国所得税については外国税額控除が適用できないため、事前の租税条約に基づく減免等申請又は事後の還付申請手続きを行うことが可能です。
画像をタップいただくと拡大します。
※事前の租税条約に関する届出書による申請方法に関係なく、事後の還付申請手続きを前提に制限税率を超えた源泉徴収がされる場合があります。
※租税条約に基づく租税の減免等軽減税率の適用を受けるため、各国税務当局に対して所定の申請書類を一定の期日までに提出するなどの必要な手続きがございますが、当社では、この租税条約に基づく軽減税率適用のための手続きや還付請求の手続きのサポートは行っておりません。
※外国株式の銘柄には、我が国の金融商品取引法に基づく企業内容の開示が行なわれていないものもあります。
外国株式の売買等にあたり円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替・レートによるものとします。
外国株式のお取引にあたっては、「外国株式取引に関する説明書」および「上場有価証券等書面(契約締結前交付書面)」をよくお読みください。
◆2025年9月現在における制度・情報をもとに、個人(居住者)の所得についての税制を説明したものです。租税条約の規定や税制変更により、将来、外国税控除が適用できなくなる可能性があります。
税制の内容や税務上の具体的な取扱い、および、確定申告による有利判定等については税務署又は税理士等の専門家にご確認ください。
外国株式取引におけるリスクについて
- 株価の変動により、投資元本を割り込むことがあります。
- 発行者の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込むことがあります。
- 為替相場の変動により損失を被ることがあります。
- 当該国の政治情勢や経済情勢等の変化により、損失が生じるおそれがあります。
- 流動性の変化により損失が生じるおそれがあります。
- 決済時の取引相手の信用状況により損失が生じるおそれがあります。
- 予告無しに現地での取引・決済制度、売買益、配当などに関する税制度等が変更になる場合があります。
外国株式取引の注意事項
- 外国株式の銘柄には、我が国の金融商品取引法に基づく企業内容の開示が行なわれていないものもあります。
- 外国株式の売買等にあたり円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。
- 外国株式のお取引にあたっては、「外国株式取引に関する説明書」および「上場有価証券等書面(契約締結前交付書面)」をよくお読みください。