【特集:トランプ政権の政策と相場影響】トランプ大統領はFRB議長を解任できるのか?(2025年4月21日)
動画の説明(再生時間:14:48)
本レポートでは、FRB議長職に係る米国の法律上の条文を確認し、弊社が考える解任可能性の論点と、債券投資戦略について考察する。
(1) FRB理事;大統領による解任は法的には困難(正当事由が必要)。
(2) FRB議長;大統領は(明確な理由なく)解任可能。
(3) FOMC議長;FRB議長から解任されれば自動的に失職 (FOMCの合議は無関係)
FRB理事の解任に関連した、2つの訴訟事例を参照;
(1) ハンフリー氏解任事件(1935) ; 政策上の理由による委員の解任は不当。米憲法が大統領に「無制限の解任権」を与えたことはない。
(2) トランプ大統領により解任された2人の政府機関の委員による訴訟(2025);連邦地裁は、政策上の理由による理事の解任は不当で違法と判断、復職を命じたが、トランプ政権はこれを不服として控訴中。
- トランプ大統領による、FRB議長職、理事職に対するスタンス別の3つのシナリオ;
(1) 現状維持(解任なし) → 債券・金利相場も現状維持。
(2) パウエルFRB議長の議長職解任・理事としては役職継続 → 金利水準が全体的に切りあがる。短期の金利上昇が相対的に大きく、超長期の金利上昇は相対的に小さい。
(3) パウエル議長及び複数理事の解任と入れ替え;→ (一時的にも)政策金利が大きく引き下げ。長短金利のスプレッドは大きく拡大、超長期の金利はそこまで下がらない。
- 3シナリオを勘案した、相対的な投資機会は、むしろ20-25年程度の高利回りゾーン。直利が大きい半面で、利回りの変動は抑制されやすく、インカム・ゲイン目的での中長期保有には、他の年限よりも相対的に効用が高い。
[パウエルFRB議長の解任可能性に関する法的規定]
パウエル氏の3つの職位と、法的な解任規定。(1) FRB理事;大統領による解任は法的には困難(正当事由が必要)。
(2) FRB議長;大統領は(明確な理由なく)解任可能。
(3) FOMC議長;FRB議長から解任されれば自動的に失職 (FOMCの合議は無関係)
[大統領による政府機関理事の解任可能性に関する訴訟事例]
そもそもパウエル氏自身が、FRB議長職の解任に対抗できるとは言っていない(理事職のみ対抗可と言及)。最近の主張は、むしろ中央銀行が独立することの重要性を訴える内容。FRB理事の解任に関連した、2つの訴訟事例を参照;
(1) ハンフリー氏解任事件(1935) ; 政策上の理由による委員の解任は不当。米憲法が大統領に「無制限の解任権」を与えたことはない。
(2) トランプ大統領により解任された2人の政府機関の委員による訴訟(2025);連邦地裁は、政策上の理由による理事の解任は不当で違法と判断、復職を命じたが、トランプ政権はこれを不服として控訴中。
[今後のトランプ大統領によるパウエル議長解任の可能性と市場影響]
- トランプ大統領の政策には、法律の「拡大解釈」に見える運用が多い。先に判断・実施し、後から裁判所で争われる事例も。ただし、政策としては先行実施済みとなる。- トランプ大統領による、FRB議長職、理事職に対するスタンス別の3つのシナリオ;
(1) 現状維持(解任なし) → 債券・金利相場も現状維持。
(2) パウエルFRB議長の議長職解任・理事としては役職継続 → 金利水準が全体的に切りあがる。短期の金利上昇が相対的に大きく、超長期の金利上昇は相対的に小さい。
(3) パウエル議長及び複数理事の解任と入れ替え;→ (一時的にも)政策金利が大きく引き下げ。長短金利のスプレッドは大きく拡大、超長期の金利はそこまで下がらない。
- 3シナリオを勘案した、相対的な投資機会は、むしろ20-25年程度の高利回りゾーン。直利が大きい半面で、利回りの変動は抑制されやすく、インカム・ゲイン目的での中長期保有には、他の年限よりも相対的に効用が高い。
公開日:
#経済見通し#米国#市場・取引動向
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