【マーケット動向】週次:米国債券市場動向 (5月第3週)(2025年5月19日)
動画の説明(再生時間:11:50)
本動画では、2025年5月9日から5月16日までの米国債券市場動向の状況を示すことを目的とする。(起債額と取引額は5月12日〜5月16日まで)
- 市場で観測される、現在のリスクへの警戒の後退状況は、長続きしにくい。関税に係る悪影響は解消されておらず、今後2〜3週間以内にも再燃しやすいため。
- 超長期債は、現在の利回りの高い市場環境が継続している間が投資の好機になりやすい。
ii). 関税について ;
- トランプ関税については、10%の追加関税を受け入れた2国(イギリス・中国)と一定の合意に。他の国については、トランプ政権が重点的に交渉しているのは18か国のみ。
- 一時停止される相互関税の上乗せ部分は7月上旬に期限を迎えるが、トランプ政権は、今後2〜3週間以内に各国に一方的に相互関税の上乗せ部分を通告する方針。
- また、中国商務省は、日米欧から輸入している「ポリアセタール樹脂」についてダンピングを認定。5年間の上乗せ関税強化方針をリリース。
- アメリカの商品別関税(鉄、アルミ、自動車)と同様の関税イニシアチブを、中国が対抗して実施している点にも注意が必要。
- 社債スプレッドは引き続き反転低下。投資適格下位のBBB格は、2024年末の水準に戻しておらず割安感あり。投機級のBB格、B格は、2024年末の水準まで戻し、相対的な割高感。
- 次いで起債額が多かったのは約2年ぶりの起債となったアップル。同社は、2026年にも110億ドル以上の社債償還を控えており、2025年後半にも新たな追加起債を実施する可能性も。
- 金融債では、「バンク・オブ・アメリカ」、「JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー」の取引が多く、米銀以外では「HSBC」の取引が多かった。
[まとめ]
i) 今後の債券投資における重要なポイント;- 市場で観測される、現在のリスクへの警戒の後退状況は、長続きしにくい。関税に係る悪影響は解消されておらず、今後2〜3週間以内にも再燃しやすいため。
- 超長期債は、現在の利回りの高い市場環境が継続している間が投資の好機になりやすい。
ii). 関税について ;
- トランプ関税については、10%の追加関税を受け入れた2国(イギリス・中国)と一定の合意に。他の国については、トランプ政権が重点的に交渉しているのは18か国のみ。
- 一時停止される相互関税の上乗せ部分は7月上旬に期限を迎えるが、トランプ政権は、今後2〜3週間以内に各国に一方的に相互関税の上乗せ部分を通告する方針。
- また、中国商務省は、日米欧から輸入している「ポリアセタール樹脂」についてダンピングを認定。5年間の上乗せ関税強化方針をリリース。
- アメリカの商品別関税(鉄、アルミ、自動車)と同様の関税イニシアチブを、中国が対抗して実施している点にも注意が必要。
[米ドル建て債券価格動向]
- 米中間の追加関税の大幅な引き下げ合意などを受け、市場はリスク後退観測を反映、短期〜超長期まで金利は反転上昇(ただし、不安定要因は残る) 。- 社債スプレッドは引き続き反転低下。投資適格下位のBBB格は、2024年末の水準に戻しておらず割安感あり。投機級のBB格、B格は、2024年末の水準まで戻し、相対的な割高感。
[米ドル建て債券起債動向]
- 前週に最も起債額が多かったのはHSBC。同起債で特徴的だったのは、総額55億ドルの起債のうち12.5億ドルが翌日物金利(SOFR)+1.57%の変動利付債だったこと。- 次いで起債額が多かったのは約2年ぶりの起債となったアップル。同社は、2026年にも110億ドル以上の社債償還を控えており、2025年後半にも新たな追加起債を実施する可能性も。
[米ドル建て債券取引動向]
- 事業会社社債のうち、投資適格債券では「ユナイテッドヘルス・グループ」が最も多く、「メキシコ石油公社(ぺメックス)」、「ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)」がそれに続く形。- 金融債では、「バンク・オブ・アメリカ」、「JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー」の取引が多く、米銀以外では「HSBC」の取引が多かった。
公開日:
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