【発行体概要】メキシコ石油公社(ペメックス)のクレジット評価と社債投資戦略(2025年5月21日)
動画の説明(再生時間:17:42)
本動画では、メキシコ石油公社(Petroleos Mexicanos、以下ではペメックスと表記する)の財務状況や政府支援状況、同社の経営環境等について確認し、
ペメックスの発行した米ドル建て社債への投資にあたって、同社の信用リスク評価の考え方を整理する。
-2024年10月にメキシコの憲法改正が成立し、同社の位置づけが「国営生産企業」から「公営企業」へ変更された。
FY2024通年の決算状況: 売上高は、1兆6,780億ペソと前年比▲2.4%の減収。巨額の金利費用負担と、ペソ安に伴う巨額の為替差損のため、税前損益は▲4,900億ペソの赤字。
2) ペメックスの財務動向とCFの状況
FY2020から現在まで債務超過の状態が継続。直近四半期(FY2025 Q1)には、金融機関からの巨額の借入金を得ることで、現金および現金同等物は前年同期より+117%増加。
3) ペメックスの金融債務と、借換え可能性
FY2025 Q1にかけて短期金融債務が増加、総金融債務残高も2兆660億ペソまで増大する中、2年以内に総金融債務の約45.2%、4年以内に約55.3%が返済期限を迎え、短期化する可能性。1年毎に借換えを要する資金規模が激増する可能性。
- 平時においてペメックスの信用リスクはメキシコ政府とほぼ一体。ただし、金融システムの不安定化などの外部リスクが深刻化すると、両者の信用リスクに乖離が生じ得る。
-3年程度の保有後に、保有を継続するか入れ替えるかを選択する前提で、2035年債をバランスの取れた投資対象として推奨。
ペメックスの発行した米ドル建て社債への投資にあたって、同社の信用リスク評価の考え方を整理する。
[ペメックスの概要]
- ペメックスは、メキシコ政府が100%の株式を保有する国有企業。国内で唯一、石油・ガス関連事業を上流から下流に至るまで一貫して手掛けている。-2024年10月にメキシコの憲法改正が成立し、同社の位置づけが「国営生産企業」から「公営企業」へ変更された。
[ ペメックスの連結決算と財務動向]
1)ペメックスの損益動向FY2024通年の決算状況: 売上高は、1兆6,780億ペソと前年比▲2.4%の減収。巨額の金利費用負担と、ペソ安に伴う巨額の為替差損のため、税前損益は▲4,900億ペソの赤字。
2) ペメックスの財務動向とCFの状況
FY2020から現在まで債務超過の状態が継続。直近四半期(FY2025 Q1)には、金融機関からの巨額の借入金を得ることで、現金および現金同等物は前年同期より+117%増加。
3) ペメックスの金融債務と、借換え可能性
FY2025 Q1にかけて短期金融債務が増加、総金融債務残高も2兆660億ペソまで増大する中、2年以内に総金融債務の約45.2%、4年以内に約55.3%が返済期限を迎え、短期化する可能性。1年毎に借換えを要する資金規模が激増する可能性。
[ペメックスへの政策支援状況]
-メキシコ政府は同社に対して継続的な資金注入や税制上の支援を実施。政府による2019年以降の累積支援額は約1兆4,630億ペソ(約716億米ドル)にのぼる。[ペメックス社債の投資評価]
-S&PではBBB格(投資適格)の信用格付け。一方でフィッチはB+格、ムーディーズはB3格(ともに投機級)の格付けとなっており、格付スタンスに大きな差がある。- 平時においてペメックスの信用リスクはメキシコ政府とほぼ一体。ただし、金融システムの不安定化などの外部リスクが深刻化すると、両者の信用リスクに乖離が生じ得る。
-3年程度の保有後に、保有を継続するか入れ替えるかを選択する前提で、2035年債をバランスの取れた投資対象として推奨。
公開日:
#新興国#クレジット投資評価#個別発行体#国営企業#債券投資
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