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【マーケット動向】週次:米国債券市場動向(2024/11 第2週)(2024年11月22日)

動画の説明(再生時間:9:40)

[米ドル建て債券相場動向]

- 米国債と政策金利との連動性は低下し、2年以上の金利は全面的に上昇。超長期よりも短期の金利が上昇したことで、2年以上の年限における長短利回り格差は減少した。
- ベースとなる米国債の利回り上昇とバランスをとるように、社債のスプレッドも全面的に上昇。特に短期のハイイールド債で、より大幅な信用スプレッドの拡大傾向を観測した。

[相場の見方]

- トランプ・トレードが進む中、政策金利の下落と、米国債のイールドカーブの動きが切り離され、2年以上の債券利回りは全面的に上昇。2025年の前半に利下げが進んだとしても、その後のインフレ可能性を織り込んだイールドカーブの形成が進んだことが、長短金利の連動性が分断されている原因か。
- 金利の高止まりと反転可能性の両シナリオを勘案すれば、20年超の超長期債への投資の効用が高まっている。パーに近い超長期の米国利付債や、スプレッドが乗り直利の高い社債などを活用し、インカム・ゲインを厚くするポジションの設定が、潜在的な為替リスク吸収の観点でも有効か。

[新発社債の状況]

- エコスター、ニューウェル・ブランズ、セーフホールドなどハイイールド債が起債の中心。
- 起債額の特に大きかった案件は、11月12日に発行した無線通信サービスセクターの「エコスター」の95.5億ドルの起債。債券の本数は3本、年限は5〜6年、優先債調達。子会社のDISH Network が発行した転換社債や同社の転換社債の投資家に対し、取引支援契約に基づき新たなエコスター社債と交換するエクスチェンジ・オファーを2024年10月に提案済み、今回の起債は同提案に基づく。
- 2番目は、11月15日に発行した機械製造セクターの「キャタピラー・フィナンシャル・サービシズ」の23.0億ドル。

[米ドル建て社債取引動向]

- 債券の取引額が多かった金融機関債はゴールドマンサックスグループ債で、次いでバンクオブアメリカ債だった。
- HSBCは2024年11月18日に、特定の発行済み債券の一部または全部を現金で購入する2つの別々のテンダー・オファーを開始した。この動きに合わせ、一部のHSBC債の取引が活発になっていた。
- 事業会社のうち、投資適格債券の取引額では、メキシコ石油公社(ぺメックス)が最も多く、ギリアドサイエンシズ、アッヴィが、それに続いた。投機級では、エコスターの取引が増加。
- 取引が多かった社債には、ギリアド、アッヴィ、アムジェン等の製薬会社が多く含まれた。トランプ陣営では、過去からオバマケアやインフレ対策法、ワクチンなどに懐疑的な姿勢を示しており、同業界の不透明性が増している状況。

[個別社債価格の動向]

- 米国籍の投資適格事業債で、最も上昇したのは化学工業セクターのセラニーズUSホールディングス。Q3決算における減益傾向を受け、レバレッジ解消が急務に。11/14にはS&Pが同社の格付けをBBB-からBB+に格下げし、同社の社債時価と株価は同時に大幅下落していた。今回、反転上昇したものの限定された水準に留まる。
- 米国籍の投資適格事業債で最も下落したのが、衣料、繊維製品セクターのタペストリー。タペストリーは14日、同業のカプリ・ホールディングスの買収計画の中止を発表。カプリ買収を巡っては米連邦取引委員会(FTC)が競争を阻害すると反対、10月には米連邦地方裁判所が差し止める判決を下していた。株価は上昇で、債券価格は下落で応じた。
- 外国籍事業法人の投資適格債で最も上昇したのは、公益事業セクターのSaudi Electricity Sukuk Programme Company 。投機級債で最も上昇したのは、化学工業セクターのUPL。
- 今回は金利上昇の影響もあり、投資適格(IG)社債の時価は大半の銘柄で下落していた(ベンチマーク対比では上昇)。投機級(HY)の一部では時価の上昇がみられたが、多くはそれ以前における価格のアンダーシュートからの反動。
- 外国籍の投資適格債で最も下落したのが、石油:総合セクターのメキシコ石油公社(ペメックス) 。ペメックスの社債時価は、政府による国営企業化、2025年返済分に予算措置、エネルギー単一税化等の支援策が好感され、上昇してきた。しかし、エネルギー製品の販売価格をあげないとする政府方針が経営体質の改善を妨げる可能性が改めて懸念され時価も反落した。
公開日:
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