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【マーケット動向】週次:米国債券市場動向(2024/11 第3週)(2024年11月26日)

動画の説明(再生時間:11:11)

[米ドル建て債券相場動向]

- 米国債イールドカーブの上昇は一巡、若干の反転。長期の利回りは反転低下、短期・中期の利回りは上昇。この結果、イールドカーブはフラット化。
- 社債のスプレッドが拡大したのは、中期(5年)の投資適格のみ。他は縮小。特に、短期(2年)の投機級(HY)債券のスプレッドが大きく縮小。

[相場の見方]

- 急速に進んだトランプ・トレードからの反動を受けたイールド・カーブのフラット化により、超長期債の「相対的な投資メリット」は徐々に後退していく方向。7〜10年の債券にも投資資金の一部ウェイトの振り向けが有効に。
- トランプ政権下でも当面のFRBの金融政策は未だ金融緩和方向。デフォルト抑制期待から短期のHY債が買いやすい相場。
- 新財務長官の下で金利抑制的で財務の健全性を維持する政策を期待。ドル安誘導とも整合的政策を重視との期待。ただし、金融相場はトランプ次期大統領の政策に対する短期的かつ過剰な動きで変動性を増している一方、体系的な経済政策を勘案・反映して動いているとは言えない状況。

[新発社債の状況]

- 起債額の特に大きかった案件は、11月18-19日に発行した総合銀行セクターの「HSBCホールディングス」の47.5億ドルのシニア・劣後同時起債。債券の本数は4本、年限は4〜11年。HSBCの劣後債の発行時(18日発行)のスプレッドは2034年償還想定でT+145bps(固定)、これに対しシニア債(19日発行)のスプレッドは固定利付債で2029償還想定がT+98bps、 2027償還想定がT+83bpsと差があり、流通市場ではTier2債の取引が盛んに。
- 2番目は、11月20日に発行したバイオテクノロジーセクターの「ギリアド・サイエンシズ」の35.0億ドルの起債。債券の本数は4本、年限は5〜40年、優先債調達。ギリアド・サイエンシズは、2025年1月に17.5億の既発債が償還を迎えるため、起債額の半額は同負債の借り換えに、残りの半分は3月に35億ドルで買収したシーマベイ・セラピューティクスの買収債務の長期化などに充当。

[米ドル建て社債取引動向]

- 最も債券の取引額が多かった金融機関はJPモルガンチェースで、モルガンスタンレーがそれに続く形。新規起債の影響もあり、前週に引き続きHSBC債の流通市場での取引が継続。主要米銀6行に交じって頻繁な取引の対象に。
- 事業会社のうち、投資適格債券の取引額では、アッヴィが最も多く、アップラビン、メキシコ石油公社(ぺメックス)がそれに続いた。企業と顧客を結びつけるソフトウェア・プラットフォームを提供するアップラビンは、 12月5日付で新規の社債4本を起債。これまで同社の資金調達の中心は市場性ローンであったが、公募社債への切り替えに伴い、完全に新規の銘柄として取引が増加。投機級では、エコスターの取引が増加した。

[個別社債価格の動向]

- 米国籍事業法人の投資適格債で、最も上昇したのは金属・鉱業セクターのフリーポート・マクモラン。銅の採鉱におけるトップ企業の1社であり国際的な大手金属会社であるフリーポート・マクモランでは、過去数年間に財務体質の改善を続け、格上げも続いてきた。2024/11/14に既発社債を償還、財務体質の改善が進んだことを受け、さらなる格上げ期待などから社債時価も上昇。
- 米国籍の投資適格事業債で最も下落したのが、投資適格債で最も下落したのが、衣料、繊維製品セクターのVF。衣料品小売り大手のVF社債は、関税強化に伴う輸入品価格(特に中国産)の上昇と実質所得の圧迫が経営に与える悪影響への連想などから、トランプ・トレードにおける売り対象となり、時価が下落。
- 外国籍事業法人の投資適格債で最も上昇したのは、石油:総合セクターのメキシコ石油公社(ペメックス)。WTIが70$/bbl近辺で下げ止まる中、これまで国際エネルギー相場に連動して下げてきた米州の資源関連ネームの社債が、反転・上昇した。 (ただし、欧州など他地域では異なる選別傾向を観測。)。
- 外国籍の投資適格債で最も下落したのが、石油:総合セクターのトタルエネルジー・キャピタル・インターナショナル。欧州の資源関連ネームの社債は、引き続き下落した。米国ネームとは明暗が分かれた形に。
公開日:
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